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しばらく歩いているとヒソカを見つけた。
『あ、ヒソカ発見。昨日ぶり〜』
ヒソカは、島の奥の方で切り株に腰掛けていた。
「やぁ、名前◇余裕みたいだね?」
ヒソカは挨拶代わりとでも言うように、トランプを投げて来た。
『6点集まったもん。あとはこのままプレートさえ奪われなきゃ合格だから気楽なんだ。ヒソカはまだ動いてもないみたいだね』
私の言葉に、まあね、とヒソカは言って伸びをしていた。
ヒソカの周りには相変わらず試験開始時からの蝶がいる。
まだ傷が完全に治ってないようだ。
『傷…、大丈夫?』
「君にもらった薬のおかげで、あともう少しで治りそうだよ◇」
『そっか』
そう呟くと、不意に気配を感じた。
さりげなく辺りを見回すと、ゴンが居た。
気配を読めるか読めないかの絶妙な距離だけど、私が気付いたってことはヒソカも気付いてるってことだ。
「クックック…◇」
ヒソカは舌なめずりをしている。
『はぁ…。殺さないでね?』
私はそう言ってその場を離れた。
ヒソカは分かってるって言ってたけど、興奮してるみたいだったから大怪我は免れないだろう。
ゴンなら直ぐに治るから大丈夫だと思うし、もしもの時は私の念で何とかするとしよう。
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