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島の奥に入って数時間、誰か知らない人の気配がする…。
常にヒソカと居たからか、気配には並の殺し屋よりも敏感だ。
『いつまでも私のことつけてないで、ケリつけません?』
にこっ、と笑いながら相手に視線を送る。
何時までもつけられてたら迷惑だから早く終わらせたい。
「流石ここまで残っただけはある。ガキだからと言って油断してられねぇな」
名前は分からないけど、身長が大きくて人相悪い男のターゲットは十中八九私だろうことは分かる。
『貴方のターゲットは私?』
分かりきったことを子供らしく尋ねる。
まだ相手は私のことを子供だと思って油断してる。
ちょっと気に入らないけど、利用できることは何だって利用してやる。
「ああ、そうだ。大人しくプレートをよこせば何もしない。どうだ、プレートをくれねぇか?」
口を三日月に歪めて、人を見下した目をしている男。
やっぱり何か腹立つから、プライドをズタズタにしてやろうか…。
『いーや!』
にっこりと笑って、瞬時に相手の背後に立ち、プレートを奪う。
男は唖然としていた。
『なーんだ、一点か。じゃあ貴方に用はないから私はこれで』
男は私のターゲットじゃなかったので、一応プレートをポケットに仕舞いながら背を向けた。
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