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『あ、そういえば、何でこんなに騒がしいの?』
イルミにそう尋ねれば、実際見て来いと言われたので、部屋を出た。
キョロキョロしていると、ポックルって人が私に気付いた。
「お前、こっちに残ってる奴か?」
いきなりそんなことを尋ねられて、私は首を傾げた。
『ごめん、今まで寝てたの。…何かあった?』
ポックルの言葉から推測するに、やっと試験が再開したんだと理解した。
「それが―…、」
ポックルの話しは、この島が沈んでしまう前に逃げなきゃいけないらしいが、一部の人が協力せずに波に飲まれたんだとか。
そこで、クラピカ達が団結して、この島ごと脱出しようと考えた。
…とまあ、こんな感じだ。
『成る程ね…。で、クラピカ達は今何処に居るのか教えてくれない?』
「あぁ」
ポックルについて行く。
それにしても、この島は大きな船になってるから、島ごと動かすのはいいのだが、果たして動くのだろうか。
窓から見る島の様子でいくと、宝とかは置いて行かなければ、重量オーバーになってしまうだろう。
ガチャ、
「おい、こっちに残ってた奴がいたぞ」
「…ん?名前!今まで何していたんだ!?」
部屋にポックルと一緒に入ると、クラピカに怒られた。
『いや、寝てました。ぐっすりと』
私がそう答えると、奥に居たキルアが呆れたように笑った。
「…名前ってホントにマイペースだよな」
「はぁ…。全くだ。まあ、何はともあれ無事でよかった」
どうやら二人共、私のことを心配してくれたようだ。
『あはは…、ごめん』
苦笑いを浮かべ、二人に謝った。
あれ?そういや、ゴンとレオリオが居ない…。
『…ねぇ、ゴンとレオリオは?』
私がそう尋ねると、二人の顔が曇った。
「レオリオは大砲を探している」
クラピカがポツリ、と呟くように答えた。
『…何かあったんだ』
クラピカとキルアの表情を見ている限り、二人の身に何かあったのだろう。
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