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ガタガタ、ザワザワ…。
何だか外が騒がしいということで、私の目が覚めた。
『うるさ…い。何事…?』
軽く目を擦って、脳を働かせる。
「おはよ、名前」
『イルミ、おはよう』
一番に目に入ったのはイルミの顔だった。
…ん?
あれ、私昨日風呂場で寝た記憶から先が無いんだけど。
もしかして…。
『…イルミが私のこと運んでくれたの?』
恐る恐る聞く。
一方のイルミといえば飄々とした態度で、相変わらず無表情だ。
「うん。だってあのままじゃ、名前風邪引くだろ?」
確かにその通りだ。
わざわざ服まで着せてくれたんだから、今回は感謝すべきか…。
『……ありがと』
イルミはちょっと驚いた顔をしたけど、すぐに無表情になった。
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