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チャプン…
湯舟に浸かって、緊張を解す。
『監視カメラが数台に、沢山の舟…』
私は今日キルア達と探検した時見た、この島の様子を思い出す。
ここの宿主は、ここを出て行く準備をしていたことを偶然見かけた。
『…休息じゃなく、まだ試験中ってことか。あんまり迂闊なことは出来ないね』
ぶくぶくと湯舟に顔を浸けていく。
あー…、何か眠くなってきた。
急に強烈な眠気が襲ってきたため、瞼が重い。
『ちょっとだけ、おやすみなさい……。すー…、すー……』
私の意識は、完全に夢の中へ。
ガチャ
ドアの開く音がしたけど、私は無意識に気を張っていたためか疲れていて、イルミが風呂場に入ってきたことに気が付かなかった。
「名前、…やっぱり出てくるのが遅いと思ったら寝てるし」
『んぅー……』
「仕方ない、このままじゃ風邪引くだろうし。よいしょっ。…軽い」
イルミは寝ている名前を抱えた。
名前の軽さに少し驚きつつも、イルミは優しげな目を名前に向けていた。
「おやすみ、名前」
ちゅっ、と名前の額にキスを落とした。
イルミ〈無防備。ヒソカに喰われちゃっても知らないよ〉
《んー…、キルアってば、顔、真っ赤…》
〈……ふぅん。キルと仲良いんだ〉
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