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キルアに私のこと色々話して、ゴン達にも同じことを話した。
暗殺者なのに、皆私を仲間だって言ってくれた。
凄く嬉しかった。
今まで友達になってくれたり、仲間になってくれる人なんて誰もいなかったから。
『…ありがとうっ!私も、皆のことだ、大好き……だよっ!』
嬉し泣きで言葉が途切れ途切れだけど、自分の思いを伝える。
暖かい笑顔が私に向けられて、なんだかふわふわする…。
ハンター試験を受けて本当に良かった。
安心して、不意に窓の外を見た。
あれ、そういやここ何処なんだろ。
窓から見えるのは、青い海に青い空…、どこかの島だってことは分かる。
『…ところでさ、ここって何処?』
私のその一言で、空気が一変した。
ごめんね、空気読まなくて。
気になったらすぐ聞きたくなるっていうかさ、ね?
「ここは宿泊場だ。ちなみに名前の部屋は相部屋だったはずだ」
クラピカがいち早く答えてくれる。
『一人部屋もあるってこと?どうやって部屋、決めたの?』
「宝探しだよ!」
ゴンの言葉に首を傾げる。
…宝探しがどうしたっていうんだ、ゴン。
「おいおい、それだけじゃ分からねぇって。つまりだな、ここの宿泊代金が払えるような額じゃないから、皆宝探しをして、その宝に見合った部屋に泊まってんだ」
レオリオがだいたいのことを話してくれた。
『へぇー…。あれ?私の部屋決まってるってことはさ、誰か私の分のお宝探してくれたの?』
「さあな。ヒソカ辺りが名前の分探したんだろ。俺、ヒソカに名前の部屋教えて貰ったし」
なるほど。
ヒソカならしそうだな。
後でお礼言いにいかなきゃ。
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