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温かくて、いい匂い…。
気持ち良く揺れてる。
私はゆっくりと目を開けた。
『……ん』
瞼を開けると、目の前には誰かの背中が。
この背中にこの匂いは、キルアだ。
「起きた?」
『うん』
私はキルアにおんぶされていて、何処かに移動中なようだった。
ぎゅっ、とキルアに抱き着く力を少し強くした。
キルアは私を降ろそうとはせずに、何処かの部屋に入った。
「名前の部屋はここだってさ」
そう言ってベッドの上に降ろしてくれたキルア。
『ねぇ、キルア。試験って終わった?』
疑問を口にすると、キルアは少し呆れた顔をしながら答えてくれた。
「名前がぐっすり寝てる間に終わったぜ。俺もゴンもクラピカもレオリオも合格した」
四人共合格したと聞いて少しホッとした。
「…それよりさ、名前ってヒソカと仲良いの?」
不意にキルアが真剣な顔になって聞いてきた。
『何で?』
まさか近くに居たのがバレたとか…?
今頃になって気付いたけど、ヒソカの近くで寝てたんだから、そりゃバレるか。
「ヒソカとギタラクル?って奴が名前をよろしくって、寝てる名前を俺達に託してきたから。」
まあ、バレたんなら仕方ない。
全て話そう。
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