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飛行船で移動中はずっとヒソカと過ごすことにした。
キルアとゴンは船内を探検しに行くと言っていたが、私はとてもじゃないがそんな怖いことしたくない。
「名前」
『トランプのスペード』
ヒソカが人差し指を立てる。
凝をすれば、器用に念の形が変わっている。
私も同じように形を作る。
「上手くなったじゃないか」
ヒソカがニヤリと笑う。
私の念の種類は、変化系と特質系で、一年前ヒソカに無理矢理精孔をこじ開けられた。
本能的に危険を感じて、気付いたらヒソカに説明される前に纏をマスターしていた。
その日からは特訓を常にしていたし、ヒソカが気まぐれにトランプ投げたりしてくるから、円もいつの間にか覚えてた。
今では、応用の技も出来るようになった。
「特訓は出来そうかい?」
ヒソカは暇なのか、トランプタワーを作りながら尋ねてきた。
『…多分、大丈夫』
正直言って怖い、だけどヒソカとの特訓はハードだから、気は紛れる。
「そう…。じゃあ特訓しようか」
コクリ、と頷いて精神を統一する。
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