新人狙いに威嚇


ウイングさんのところから出、闘技場に戻れば嫌なオーラがある。

陰湿でドロドロした、そんな感じのオーラ。

ゴンが強い目で私達の名前を呼ぶ。

頷いて返事をし、エレベーターが開くなり前を睨む。

そこには新人狙いの3人がいた。


「あんたらもしつこいな。嫌われるよ、そんなんだと


キルアがめんどくさそうにそう言えば、能面男がにやりとする。


「まあそう邪険にせずいつ戦うのか教えなよ。君らとぜひ戦いたいからさ」


〆切が迫っていて焦っているという3人。

サービスで能力を見せるからさと言って念能力を使おうとする能面男に、威嚇の意味も込めて念を使う。

途端に能面男の周りは赤い炎で覆い尽くされた。


「うわっ」

『それ以上勝手なこと言ってないでさ、やりたいならこっちの都合に合わせたら?ああ、この子達は師匠に止められててダメだけど、私ならいつでもいいよ?やる?』


にやりと好戦的な笑みを浮べれば、3人の顔が引き攣る。

…オーラもへぼいし、弱いな。

口ほどにもないというか、新人狙いなだけあって全然強くない。


「い、いや…。俺たちはゴンちゃんたちとやりたいからさ」


冷や汗をかきながらそう言ってくる能面男。


『じゃあこっちの都合に合わせなさい。約束破ったら……ただじゃおかないからね?』


笑顔で牽制すれば、捨てゼリフを残して去っていった。

ここで釘はさしたけど、多分懲りてないだろうしゴン達に何もなければいいけど。

そう思いゴン達に視線を向ければ、キルアに頭をぐりぐりされた。


『い、痛い痛い!』

「お前は無茶ばっかりしやがって!ったく、何かあったらいけねぇし、つかヒソカはいんのかよ?」


少し弱まった手にするりと抜け出しながらヒソカの言っていたことを思い出す。


『多分もう暫くは仕事で帰って来ないよ』


そう答えれば何かを考え出したキルア。

答えを静かに待てば、名案を思いついたと言わんばかりの顔をこちらに向ける。


「何かあったら名前は女の子だろ?いくら強いとはいえ危ねぇからさ、俺の部屋に来いよ」


そう言われて考えるも、純粋に心配してくれてるのは分かるから断るのもなあという結論。

私はすぐに頷いた。


「よっしゃ、じゃあ決まりな!ゴン達も泊まりに来るか?」

「いや、俺はいいよ」

「自分もいいっす」


結局、私とキルアの2人きりらしい。

そういえば2人きりなんて、試験のあの島以来な気がする。

ゴン達2人と別れて、キルアに手を引かれるまま着いて行きながらそう考えた。




新人狙いに威嚇
〈真琴、俺の家で何もなかったか?〉

《うん、別に何も。あ、久しぶりにカルト君と仕事はした》

〈仕事!?怪我とかしてねぇか?〉

《大丈夫だよ》

〈ったく、ならいいけど気を付けろよ〉

《はーい》



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