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「うわ、すごい量。相手は…全部キルからだね」


思わずコクリと頷く。


内容は全て、‘今何してる?’とか‘電話に出ろ’だとかで、新しいものほど怒っているのが分かる。


ヒクリと頬を引き攣らせて携帯画面を見ていると、携帯が振動した。


キルアからの着信だった為、私は出ることを躊躇う。


「出ないの?」


『で、出るよ』


イルミの言葉に我に返った私は、着信に恐る恐る出る。


『…はい』


【おいコラ名前!今まで何やってたんだよ!?】


電話に出た瞬間、キルアが怒鳴った為耳がキーンと痛む。


『いやあの…、昨日ゼノさんとシルバさんと手合わせしてたら体力切れで寝てしまいまして……。今さっき起きたところでして』


【何で敬語なんだよ。…はあ、まあ何ともないなら別にいいけど。……ん?何だよ、ゴン。…は?まあ別にいいけど。……名前、ゴンと代わるぜ】


『え、あ、うん』


いきなり向こうで話しを進めて、いきなり私に話しを振るキルア。


私は反射的に返事を返した。


【あ、名前?本当に怪我とかしてない?】


『うん、大丈夫だよ』


キルアと電話を代わったゴンは、心配そうに私に怪我がないかを尋ねてきた。


私が大丈夫だと返事をすると、ゴンはそれならよかったと言って笑う。


††††††††††


ゴンと二言三言話していると、私のお腹が小さく音を立てた。


そういえば朝御飯を食べていない。


とりあえず、私はゴンに気になることを尋ねる為に話しを切り出した。


『ねえ、キルアまだ怒ってる?』
 

電話では相手の顔が見えないから不便だ。


私が不安からそう聞くと、ゴンは苦笑した。


【大丈夫。キルアったらね、昨日名前と電話が繋がらないから何かあったんじゃないかって夜も寝ずに心配してたんだ。だから、やっと名前と連絡出来て安心したら、安心から怒りになったんじゃ……わあ!キルア!!】


電話越しに、キルアが【俺が顔洗ってる間に余計なこと話すなよ!】とゴンを怒る声が聞こえて、私はつい笑ってしまう。


次に私に話しかけてきたのはキルアで、ああ…キルアに無理矢理奪われたんだろうなと安易に想像がついた。


【ったく…、ゴンのヤツ……】


ぶつぶつと不満を言うキルアにまた笑うと、私は口を開いた。


『心配してくれてありがとう、キルア。これからは眠くても連絡はするようにするね』


【………おう】


私の一言に、キルアはそう返す。


どうやらもう怒ってはないらしい。


『じゃあ朝御飯食べるから、また連絡する。またね』


【ああ。じゃあな】


私は朝御飯を食べることを告げると、漸く電話を切る。


待っていてくれたイルミにお礼を言い、二人で朝御飯を食べるために部屋を後にした。




 キルアは心配性


〈…ったく、余計なこと言うなよな、ゴン〉


〈ごめんね、キルア。でもよかったね。名前に何ともなくて〉


〈ああ。……ふあ…。眠いから俺寝るわ〉


〈おやすみ、キルア〉


〈んー〉


〈(でも名前が電話に出て来れて本当によかった。あと少し遅かったらキルア、ゾルディックに怒鳴り込みそうだったし)〉
 

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