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心地よい温もりに包まれる感触。


さらさらと髪を梳かれているのが更に心地よい。


私は温かい何かにしがみつく。


温かく安心する匂いが更に近くなり、私は満足してまた深い眠りについた。


†††


携帯のバイブの音で、私は目を覚ました。


『んう……』


手をさ迷わせながら携帯電話を探す。


しかし、手が携帯電話に触れる前に柔らかいような固いようなモノに触れた。


あれ?


ヒソカ…じゃないよね。


私は漸く目を開けると、触れたものを確認する。


すると、目の前には……逞しい胸板。


…………へ?胸板??


恐る恐る視線を上げると、漆黒の猫目と目が合う。


「おはよう、名前。よく寝てたね」


さらりと私の髪を掬い、唇を落とすイルミ。


ヒソカとはまた違った意味で、朝から刺激が強い。


『お、はよ。あの………近い気がするんだけど……』


そう、何よりイルミの顔が近いのだ。


鼻と鼻がぶつかりそうな位に。


頬に息がかかる距離なため、少しくすぐったい。


さらさらと私の髪を伝い耳を擽ると、イルミは私の言葉に首を傾げる。


「そうかな?」


『…っ!…イ、ルミ、耳…ダメっ…!』


「あれ?名前耳弱いの?」


イルミは私の言葉を流すと、再び私の耳に触れる。


††††††††††


耳の裏をすりすりと擽るように触ったり、耳たぶを少し強めに掴まれたりすると、鼻にかかったような声が漏れる。


『ん……ふっ……そこ、やぁ…っ』


ぞわぞわと腰の辺りに来る刺激から逃れるように、身を捻るもイルミの腕にがっちりホールドされていてそれは叶わない。


仕方なく堪えるように、イルミの服をぎゅっと掴む。


ふるふると震える身体は抑えようがないため、震え続ける。


『ふっ……ね、イルミ……やめて……よ』
 

「……可愛い」


涙の滲む瞳を開けてイルミにそう頼む。


イルミは私の瞳に滲む涙を舐め取ると、漸く手を止めてくれた。


軽く息が上がった為、私は息を整えるために深呼吸を数回する。


じとり、とイルミを睨むと、イルミは平然とそれを流す。


「あ、そういえば携帯鳴ってたけどいいの?結構鳴ってたけど」


『あ、そうだ。携帯…。………げ』


イルミの言葉で携帯電話が鳴っていたことを思い出した私は、携帯電話を探し開く。


携帯電話のホーム画面には、着信が21件、受信メールが50件だった。


しかも全てキルアからだ。
 

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