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服が裂けてからはめちゃくちゃにアイビィを使って攻撃を仕掛けた。


リングがどんどん破壊されて、客席にも被害が出始めた頃試合が終わりを告げる。


「し、勝者名前選手!!」


実況のお姉さんの言葉と同時にアイビィをしゅるんと消す。


「ああ…◆終わっちゃった◆名前、また闘おうね◆」


アイビィで遊んでいたヒソカが心底残念そうにしながらそう言った。


今回、ヒソカは私の念獣に構っていてほとんど私には攻撃していない。


でも、かなり疲れた。


精神的にも、体力的にも………。


『今度やるなら二人きりで闘おうね』


こんな参事はもうこりごり。


ヒソカにそんな意味を込めてそう吐き捨てるように言った。


ただの布となってしまった服で何とか身体を隠してリングを降りる。


「名前!ヒソカ、テメー…わざと名前の服切っただろ!!」


キルアが廊下に出てすぐのところで私に上着を着せてくれた。


やっぱりキルアの服はぶかぶかだ。


キルアとヒソカがかなり言い争っていて、地味に注目される。


少し恥ずかしくて私はキルアに貸して貰った上着の裾を握り俯いた。


『あの、さ。怒ってくれるのは嬉しいんだけど…ここ、通路だから』


収まらない言い争いを止める。


地味に人が集まってきてて恥ずかしいったらない。


「ククッ◆じゃあ名前、部屋に戻ろうか◆」


『え、あ、うん。キルア、また明日ね!』


キルアとの話しを切り上げたヒソカに抱き上げられたため、キルアに手を振る。


キルアがまたな、と返事しているのを聞いてヒソカの方を向いた。


何か分からないけど、確実に外に向かってる。


『…ねえ、ヒソカ。どこ行くの?』


「ゾルディック家◆僕、また仕事だからイルミが来いって前から言ってたし丁度いいと思ってね◆」


そう言ったヒソカは、携帯電話で二、三言話すと森の中へと私を抱えたまま走った。


森の少し開けたところに、ゾル家の飛行船があって私は納得する。


今の電話はイルミにだ、きっと。


「やあ、久しぶりだね。名前」


飛行船の中から出て来たのは案の定、イルミだった。


「おや、僕は無視かい?」


「ヒソカに挨拶なんかいらないでしょ」


「つれないなぁ…◆」


ヒソカとイルミがいつものように会話をしだす。


何だかんだ、二人とも仲がいいと思う。


これを二人に伝えると、嫌そうな顔されるんだろうけど。
 

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