1

 
6日間幻影旅団でお世話になった私は、一週間ぶりに天空闘技場へと来た。


携帯電話の電源を入れると、ヒソカとキルアからのメールが大量に来ていて、頭が痛くなる。


私はとりあえず、キルアには家出?してたとだけ送り、ヒソカにはどうせ今から会うしいっかと携帯電話をポケットにしまう。


円をしてヒソカの気配を探りながら闘技場内を歩いていると、私に与えられている部屋からヒソカとキルアの声がした。


私は円を解除して、自分の部屋を開ける。


すると、絶をしていたからかヒソカとキルアが少し目を丸くして私を見た。


『ただいまー』


「おかえり名前◆返事くらい返してよ◆」


『…私がヒソカに何も言わず勝手にいなくなったってことは?』


「…ごめんよ◆」


謝ったヒソカに満足して笑う。


すると、状況が読めていないキルアはきょとんとした顔で成り行きを見て、更に首を傾げた。


「は?ヒソカと喧嘩したのか?」


『違う違う。この前の試合のやり方に腹が立ったから、ヒソカを反省させるために家出?したの』


理由を話せば、やっと理解出来たのかキルアがそっかと小さく呟く。


そして、ヒソカのほうを振り向き、やっぱヒソカのせいじゃねーかと怒り出した。


何でも、ヒソカはキルアをからかうために私が家出したのはキルアがヒソカの試合を無理矢理見せたからではないかと言って、キルアがそれを真に受けたらしい。


キルアのことは気にしてないよ、と説得した。


それでも気にするのかキルアはごめん、と一言言ってしゅんとなる。


それじゃあお詫びに今度お買い物付き合ってと言えば、キルアは笑顔で頷いた。


『あ、そろそろ試合の時間だ』


三人でゆったりしていると、もう試合の10分前だ。


「名前◆」


すっ、と私に向かってヒソカは腕を出すと手慣れたように私を抱き上げる。


『自分で歩けるよ』


「だーめ◆」


ぎゅ、と抱きしめる腕に力が入ったからこれは何を言っても無駄だと思った私は大人しく抱き上げられた。


『キルア、試合見に来てね!ゴンも、試合は無理かもしれないけど応援はよろしくね、って伝えといて』


ひらひらとキルアに手を振りながらそう言う。


キルアはおう、と短く返事するとゴンの部屋のほうへと走り去る。


私とヒソカは試合会場へと向かった。
 

[ 133/153 ]

[*prev] [next#]
[back]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -