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…血の匂いと人の骸が大量に地面を覆っている。
皆、鋭い物で至るところを切られている。
「うあ゛ぁぁあ…っ!」
レオリオの声が聞こえた。
「レオリオ!?」
ゴンがレオリオの声を頼りに走って行く。
私もゴンの後を追う。
少し走った先にレオリオとクラピカを見つけた。
ヒソカがレオリオに止めをさそうとしていたところを、ヒソカの顔面にゴンの釣竿がクリーンヒットした。
「ゴン、名前…!?」
クラピカがこちらに気付いた。
レオリオはヒソカに攻撃され、ボロボロになっていた。
「お前…、許さないっ!」
ゴンが続けて攻撃しようとするが、ヒソカは軽々と避けて行く。
「ふ〜ん◇」
不意にヒソカがゴンと間合いを詰めた。
『ゴンっ!!』
出る機を伺っていた私は、ゴンとヒソカの間に立ちはだかるようにして立った。
「クックック…◇気に入ったよ◆またね、ゴン」
ヒソカは私をチラリと見て満足気に笑った。
『…ヒソカ』
私はギロリとヒソカを睨んだが、ヒソカは笑ったままだ。
「…僕、青い果実って大好きなんだよね◆またね、名前◇」
ヒソカは立ち去る前に、そう私の耳元で囁いて、背を向けて去って行った。
…ある意味殺されるより厄介だ、あの奇術師に気に入られるのは。
「大丈夫っ、レオリオ!?」
ゴンとクラピカがレオリオに近寄った。
レオリオの怪我は案外対したことなさそうだから良かった。
『手当てなら私がするよ。皆怪我してるでしょ?』
私は三人に近寄って手当てをした。
青い果実《ヒソカ、ゴンのこと殺しちゃ駄目だからね!?いい?》
〈分かったよ◇僕も気に入ったからね◇〉
《…ゴンのこと食べるのも駄目だよ》
〈そんなことしないよ◇〉
《(嘘だ、絶対!)》
〈どうかした?〉
《別に…》
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