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「お帰り、名前◆」
バタンッ、と勢いよくドアを開けるとマチとヒソカがいた。
マチは手際よくヒソカの腕をくっつけているけれど、やはり心配だ。
「はい、終わり。左手2千万、右手5千万払いな」
綺麗に縫合された腕を動かすヒソカ。
どうやら、ちゃんと治ったようだ。
ぐしっ、と目に涙を溜めてマチがヒソカに連絡を伝えるのを見る。
安心したら何か涙が自然と出てきたのだ。
「―ほら名前、泣かないの。大丈夫。ちゃんと腕は使えるから。…じゃあアタシは帰るからね」
くしゃっと髪を撫でながらマチは私のことを慰めてくれた。
やっぱりマチは優しい。
「名前◆おいで◆」
マチを見送っていると、ヒソカが不意に私を手招きした。
ヒソカの優しい顔に、私は堪えていた涙を流しヒソカに抱き着く。
『ヒソカの馬鹿ー!無茶な戦い方して…、心配…したんだからね!!』
泣き顔を見られたくなくて、ヒソカの胸板にぐりぐりと顔を押し付ける。
私を抱っこして頭を撫でるヒソカに、私は存分に甘えることにした。
心配かけさせた罰だ。
「やっぱり見に来てたんだね◆よしよし、僕は君を残して死んだりしないから泣き止んでおくれ◆」
そっ、と顔を上に向けさせられる。
涙でぐしゃぐしゃな私を見て、ヒソカは嬉しそうに笑った。
それにムカついてキッ、と睨むとヒソカは私の額にキスを落としてご機嫌を取ろうとする。
『死んだら許さないんだから。ヒソカがもし死ぬなら私が殺す』
私の顔中にキスするヒソカにそう言うと、ヒソカはまた嬉しそうに笑った。
危険なパフォーマンス〈(名前、大丈夫かなぁ…?やっぱり無理矢理連れて来たのはまずかったか?)〉
〈(ホントに可愛いな、名前は◆相手はつまらなかったけど、今日は名前が素直だから役得だね◆)〉
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