4

 
「お帰り、名前◆」


バタンッ、と勢いよくドアを開けるとマチとヒソカがいた。


マチは手際よくヒソカの腕をくっつけているけれど、やはり心配だ。


「はい、終わり。左手2千万、右手5千万払いな」


綺麗に縫合された腕を動かすヒソカ。


どうやら、ちゃんと治ったようだ。


ぐしっ、と目に涙を溜めてマチがヒソカに連絡を伝えるのを見る。


安心したら何か涙が自然と出てきたのだ。


「―ほら名前、泣かないの。大丈夫。ちゃんと腕は使えるから。…じゃあアタシは帰るからね」


くしゃっと髪を撫でながらマチは私のことを慰めてくれた。


やっぱりマチは優しい。


「名前◆おいで◆」


マチを見送っていると、ヒソカが不意に私を手招きした。


ヒソカの優しい顔に、私は堪えていた涙を流しヒソカに抱き着く。


『ヒソカの馬鹿ー!無茶な戦い方して…、心配…したんだからね!!』


泣き顔を見られたくなくて、ヒソカの胸板にぐりぐりと顔を押し付ける。


私を抱っこして頭を撫でるヒソカに、私は存分に甘えることにした。


心配かけさせた罰だ。


「やっぱり見に来てたんだね◆よしよし、僕は君を残して死んだりしないから泣き止んでおくれ◆」


そっ、と顔を上に向けさせられる。


涙でぐしゃぐしゃな私を見て、ヒソカは嬉しそうに笑った。


それにムカついてキッ、と睨むとヒソカは私の額にキスを落としてご機嫌を取ろうとする。


『死んだら許さないんだから。ヒソカがもし死ぬなら私が殺す』


私の顔中にキスするヒソカにそう言うと、ヒソカはまた嬉しそうに笑った。




 危険なパフォーマンス


〈(名前、大丈夫かなぁ…?やっぱり無理矢理連れて来たのはまずかったか?)〉


〈(ホントに可愛いな、名前は◆相手はつまらなかったけど、今日は名前が素直だから役得だね◆)〉
 

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