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カストロさんの部屋を訪問した後、私はマチに連絡を取るために、キルアには先に行っててもらった。


仮にも旅団のメンバーの一人だから、念には念を入れておく必要があるだろうと思ってのことだ。


〈―もしもし?名前かい?〉


携帯電話で電話をかけると、マチはワンコールで出た。


電話の相手がヒソカだったら、きっとマチは出るのを躊躇うんだろうな、と考えたら何かおかしい。


『うん。あのさ、マチ。依頼したいことがあるんだけどいい?』


〈…ヒソカのことかい?〉


『うん。ヒソカの怪我を治して欲しいの』


いきなりそう切り出したせいか、マチは電話越しに嫌そうな声を出した。


それに私は苦笑いして、天空闘技場にいるんだけど来られる?と尋ねる。


〈行けるっちゃ行けるよ〉


そう返事したマチだけど、やはりその声から伝わるのは嫌だという感情で。


『お願い、マチ。多分ヒソカ、腕一本くらい捨てるような試合すると思うんだ』


私がそう言って頼むと、マチははあ…とため息を吐き優しい声を出した。


〈仕方ないねえ。名前の頼みだし、聞いてあげるよ〉


『本当!?マチ、ありがとう!!』


〈だだし、今度会った時にはアタシの買い物に付き合うこと。いいね?〉


私はうん、と頷き再度お礼を言った。


よし、これでヒソカが大怪我しても大丈夫だね。


通話を切り、私は試合会場へと向かった。
 

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