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欠伸をしながらベッドから起き上がる。


視界いっぱいにはヒソカの顔が移る。


「…ん、起きたのかい?」


『うん。おはよ、ヒソカ。朝ご飯何食べる?』


腰に回るヒソカの腕をやんわり退けるように言うが、更に力を強められた(と言っても、身体に負担がかからない程度だ)


それにより身体がヒソカと密着する。


私は上半身を起こしてベッドに座っている体制だから、ヒソカの顔がちょうどお腹に当たってくすぐったい。


「名前が作ったものならなんでもいいよ◆」


『分かった。じゃあ作りに行くから腕離して?』


ヒソカのサラサラな髪を梳くようにして頭を撫でると、ヒソカは腕の力を緩めた。


私はヒソカの腕からするりと抜け、朝食を作る。


今日は和食にしよう。


フライパンを手に、早速朝食を作り始めると、ヒソカがそういえば…、と声をあげた。


「名前、今度カストロとやることになったんだけど、その後に怪我が治りしだい一戦交えないかい?」


私は振り返らずにヒソカに了承をする。


ヒソカとやり合うなら、ルールのあるところでのほうがいい。


どうせヒソカは私と戦いたがるのだろうから。


そう考えてのことだ。


OKを貰えたヒソカは上機嫌で、私の後ろ姿を眺めていた。
 

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