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『そう…?ならいいの。じゃあ私はそろそろ自分の部屋に戻るね。ゴンの様子も見たことだし』
「あ、じゃあ送る」
『ありがと、キルア。でも大丈夫。私、足は何ともないし歩けるから』
「そっ、か。気をつけろよ」
「バイバイ、名前!」
俺の返事を聞いた名前はホッとした顔をしていた。
それに少し罪悪感を感じていると、名前が自室に帰ると言う。
俺は送るよ、と言ったのだが、名前はにこりと笑いながら断り、部屋を後にした。
「名前、案外元気そうだったね。」
ぼーっと名前が出て行った扉を見つめていると、ゴンが嬉しそうな声でそう言った。
「ああ。酷い怪我なのにぴんぴんしてるぜ。おんぶした時は肋骨に響くのか、足をぎゅって俺に巻き付けて…、」
話している途中に名前をおんぶした時のことを不意に思い出し、顔に熱が集まってくる。
「キルア…?ねえ、やっぱり名前と何かあったでしょ」
「だからっ、別になんもねえって!」
ゴンの真っすぐな視線に耐え切れなくなった俺は全て白状した。
思春期〈名前の足の柔らかさが横腹に直接伝わってくるし、胸も背中に当たるし。軽く拷問だよな〉
〈何で拷問?〉
〈だって好きな奴の体と密着してる美味しいシチュエーションだぜ!?そりゃ、エッチな気分にもなるっての!〉
〈(それで顔真っ赤にしてたのか)〉
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