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ゴンの部屋には結局、キルアと二人で来ることになった。
ヒソカは、えっと……カストロ?さんに用事が出来たとか。
私はキルアにおんぶされながらゴンに話しかける。
『え、ちょっ、大丈夫なの!?キルアが大丈夫って言ってたからたいしたことないのかと思えば大怪我してるし!4ヶ月で治るのそれ…?』
まずゴンを見た感想は何やったらそんなに怪我するんだよ、だ。
全身包帯でぐるぐる巻きである。
なのに、当の本人はケロッとした顔をしているから不思議だ。
「え?全然大丈夫だよ」
にこりと笑いながら爽やかに答えたゴンに、キルアの拳が入った。
「大丈夫じゃねえよ!!纏ときやがって!!」
「いや、何回か攻撃受けてて急所を外せば死ぬことは…」
怒っている(心配していると言ったほうがいいか)キルアは言い訳をしよいとし始めたゴンに容赦なく折れている足に足を乗せた。
私はキルアにおぶられながらひやひやとしながら二人のやり取りを見守っていると、不意にノックされたドア。
キルアが私を椅子に降ろし、ドアに近づく。
「はいよー」
そろりとドアとキルアの隙間から見えたのは黒髪の眼鏡のお兄さん。
確かゴンとキルアの念の師匠で、名前はウイングさんだったか?
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