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ゴンと名前の部屋に向かうと、ヒソカがすぐに入れてくれた。
「名前を見ていてくれないかい?僕はこれから少し用事があってね◆今日は戻れないと思うから、ここか隣の僕の部屋にいてくれても構わない◆」
俺とゴンは二つ返事で頷いた。
始めから名前の目が覚めるまでついていてやるつもりだったし、ヒソカが出かけるなら尚更ついていなくてはと思う。
万が一名前を狙うヤツがいたら…。
名前も殺し屋だ、ありえない話じゃない。
それに、名前は案外さみしがり屋なところも小さいときからあったし、何よりここは200階。
疲れた身体に思い込みは通用しないだろうから高所恐怖症の名前のためにも近くにいてやりたい。
「じゃあ頼んだよ◆ああ、そうだ◆キルア、名前にはあまり触れちゃイケナイよ?無防備なのをいいことにそのまま襲っちゃいそうだからね、君◆」
「しねぇよっ!」
「え?何でキルアが名前を襲うの?キルア、名前と戦いたいとか?それとも、何か怒ってる?」
ゴンの天然発言にヒソカは意味ありげに喉を鳴らし、俺は耐え切れず叫んだ。
「っだあ!ちげーよ!つーか、いくらなんでも意識ないやつ襲ったりしねーから!」
決着〈ん?つーか、何でヒソカ俺が名前のこと好きって知って…!?〉
〈奇術師に不可能はないのさ◆〉
〈キルア、名前の意識があったら襲うの?〉
〈ああもう、だから違うって!〉
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