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たくさんの声援の中、名前の相手選手が名前より少し遅れてリング上へと姿を現せた。


試合はまだ始まっていないというのに、ニヤリと勝ち誇ったような笑みを浮かべている。


『えっと………………………………………………………………誰でしたっけ?』


対する名前は、相手の名前も覚えていないようだ。


「ビスマルクだ!ビスマルク!!俺、これで君に名乗るの11回目なんだけど!会う度に名前言ってんだけど!?いい加減覚えてくれたっていいんじゃないか!!?」


名前の相手のビスマルクはヒソカくらいの高身長の細身で筋肉質な男で、かなりイケメンの部類に入ると思う。


その証拠に、オネエサン達が興奮気味になってるし。


だけど、名前はビスマルクの名前を全く覚えないらしい。


俺は、いや、この場にいる誰もが心の中でビスマルクを同情したことだろう。


『ああ、そうそう。ビスマルクさんね。…ところで、何の話だっけ』


暢気な名前の声に場の空気が緩む。


ビスマルクにいたっては、こめかみをひくひくと引き攣らせている。


「…もういい。お嬢さんには理解できないようだし、時間の無駄だ」


『なんかその言い方腹立つ…。私が馬鹿みたいじゃん』


「いや、馬鹿だろう」
 

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