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三人に追いついてからはなんて言うか、呆気無かった。
もっと苦労するかなとか思ってたけど、トンネルごと爆破させて、幻覚を見せる匂いを発していた木を燃やすという方法で脱出した。
しかも、幸運なことに爆破して辿り着いた所は、サトツさんが居る先頭集団の所…。
ちなみに私は何も出来なかった。
四人で解決したのだ。
少し妬けちゃうくらいの絆が四人の間には確実に出来てきているし、何よりもタイプがバラバラなのにまとまってるとこが興味深い。
やっぱりこの四人は面白いよ。
「あ、サトツさん達に追いついたよ」
「本当だ。どうやらいつの間にかこんなところまで来ていたようだな」
ゴンにクラピカが少し驚いた顔をしている。
もちろん、レオリオやキルアはもっと驚いてるけど。
本当、四人共面白いよね。
「トンネル抜けるみたいだよ」
ようやく見えたトンネルの向こうには森が…。
でも、まだ続くんじゃないかな?
『レオリオ、体力温存しといた方がいいよ。まだ走るだろうし』
「何っ!?」
『だって、サトツさんのスピードが更に上がってるもん』
サトツさんは、試験開始から少しずつ速さを変えている。
キルアはスケボーで悠々と走ってた。
今は降りてるけど。
私も何か持ってくれば良かった、ってちょっと後悔。
そうこうしている内にトンネルを抜けて、霧に包まれた。
「名前、お前人の心配より自分の心配しろよな。ペース落ちてる。疲れてんだろ?」
『疲れたんじゃないけど、何時まで走るか分からないから体力温存しようかと…』
キルアがペースを落とした私を、疲れたからだと勘違いしたようだ。
霧が濃くなってきそうだし、それに乗じて、ヒソカが何人か殺しそうだから、巻き込まれないように離れたいだけなんだけどね。
…まあ、変に嘘つかなくて良くなったからいいけど。
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