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暇潰しとして家から回ってきた仕事をこなしつつ、天空闘技場にやってきた。


私はいくら家を出てヒソカと旅をしていると言っても、親の了承も得ているし仕事もこなしている。


だからそれなりにお金は困っていないが、ハンター試験を受けていて仕事を滞っていたからか今回は少しヤバイ。


通帳を見ると残高が過去最低だった。


とりあえず暇だし、ということで仕事をこなしていたのだが、ヒソカもいたからか予定より早く天空闘技場についた。


『…………高っ』


天空闘技場を見たのは実に四年ぶりくらいだが、やはりあの頃とかわらず印象は高くて怖い。


あの頃はまだ念も覚えていなかったからそれなりの階まで行って家に帰った。


確か…180階辺りで限界になって帰ったんだ。


「クックック…◆耐えられそうかい?」


『あー…、うん多分。思い込み作戦でいくよ』


そう返事すると、ヒソカは更に笑みを深くした。


その笑みは純粋に面白がっている。


ヒソカに腕を引かれて建物内に入ると、むさ苦しさに吐き気が襲ってくる。


何とか耐えて、受付を済ませ気がつくとヒソカがいない。


周りを見回すと、いかつい体つきのおじさんが話しかけてきた。


「お嬢ちゃん、一人かい?」


舐めるように上から下まで眺められ、イライラする。


「僕の連れに何か用?」


文句を言おうとすると、さっきまでいなかったはずのヒソカがおじさんの腕を捻り上げて、私の前に立つ。


おじさんはヒソカのオーラにびびって、すごすごと退散して行った。


『ありがとう。…ねぇ、何処に行ってたの?』


お礼を言い、ヒソカに尋ねるとヒソカはニコリと笑った。


「ゴンを見つけたからつい…◆」


『変態、ストーカー』


「そんなこと言うのはこの口かな?」


むにっ、と口を摘まれてんーんーと唸りながら抵抗する。


『…いひゃい。ひほかのばか(痛い。ヒソカの馬鹿)』


やっと離してもらい、痛みで呂律の回らない口でそう言うとヒソカは面白そうに私の頭を撫でて目尻に浮かんだ涙を指で拭った。
 

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