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『ありがとう、ヒソカ』
携帯をヒソカに返すと、ヒソカはニコリと笑った。
「さあ、天空闘技場に行こうか◆」
いつの間にか伸びてきていたヒソカのたくましく長い腕が私を軽々と抱える。
ヒソカは私と二人のときは必ず私を抱っこする。
嫌じゃないから文句は言わないけど、結構恥ずかしいんだよね。
『ヒソカ、自分で歩けるよ』
「駄目だよ◆君は目を離すと直ぐにフラフラ何処かへ行くからね☆」
『…しないもん、そんなこと』
はいはいとあしらわれて一人で歩くことを却下される。
確かにフラフラしたりするかもしれないけど、最終的には帰ってくるからいいじゃないか。
反論したところで巧みに丸め込まれるのは分かってるからもう無駄なことは言わない。
ヒソカはとにかく私を抱えていたいのだろう。
理由は不明だが、どうせまたヒソカの気まぐれだ。
ヒソカの全ての行動は計算に計算を重ねたものであるが、動機はヒソカのその時その場所での気分。
だからこそヒソカは厄介な相手なのだ。
ほんの数秒前まではヒソカの興味の対象でも、数秒後には対象でなくなる。
それだけなら幸運だが、殺される場合もある。
それだけは御免だ。
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