3
クラピカは必ずオークションに来て蜘蛛を倒し、そして緋の目を回収しに来るはず。
私は蜘蛛を裏切るつもりはないから、せめて手に入るだけの緋の目は彼に渡そうと思ったのだ。
彼にとってクルタ族が大切な仲間だったように、私にとっても蜘蛛は大切な家族同然な存在。
だから蜘蛛のメンバーを殺して欲しくない。
クラピカを裏切るようで悪いが、蜘蛛に復讐をするのを見逃すわけにはいかないのだ。
そして、蜘蛛にも悪いが私は蜘蛛の害になるであろうクラピカを殺すことはしないし、蜘蛛がクラピカを殺そうとすれば止めるだろう。
…結果的に、どちらも少しずつ裏切るような形になるが、これが今の私の出せる最良のアイデアだ。
どちらか一方を切り放せない臆病者の弱虫だと罵られたってかまわない。
私の中ではどちらも大切な人なんだから。
まあ、今は若干蜘蛛のほうが大切ではあるが。
[ 86/153 ][＊prev] [next＃]
[back]
[しおりを挟む]