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「名前、いつまでそうしてるんだ。早く入れ」


緊張するなあ…、と深呼吸を繰り返していると、部屋の中からクロロが私に声をかけた。


ヒソカが面白そうに笑いを堪えているのがなんとなく扉越しに伝わってくる。


『…ヒソカ、笑わないでよ』


独特の音を立てて扉を開け、中に入る。


ヒソカをじとりとした目で睨むと、今度はクロロまで笑った。


「久しぶりだな、名前。相変わらず元気そうだな。旅団の奴とはもう会ったか?」


大人しくヒソカの隣に立ち、クロロと目を合わせる。


髪を下ろしているクロロは、相変わらず童顔で表情は柔らかい。


漂う雰囲気は何かエロいんだけどね。


落ち着きもあってかなり好青年に見えないこともない。


…その手にプリンが収められていなければ完璧なのに、残念だ。


『旅団のメンバー達とはさっき別れたよ。…あ、ねぇクロロ、5年前に緋の目の一族を殺したって話ししてくれたじゃない?あの時の緋の目ってどうしたの?』


プリンが好きなことなら前々から知っていた。


そう思い、あえて無視して話しを切り出す。


クロロは何だいきなり、という顔をしながらも考えてくれる。


ヒソカは私の考えが読み取れたのか、ニヤニヤと面白そうに私とクロロを見ている。


「飽きるまでここにあったが売りさばいた。何だ、緋の目が欲しいのか?」


『まあね。何か情報ない?』


「確か、今年ヨークシンのオークションにも緋の目が出るはずだ。欲しいなら名前にやろう」


『うん、ありがとう』
 

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