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いつの間にか目を覚ましてからだいぶ時間が経っていた。
パクとマチの言葉に、もう別れなきゃいけないのかと自覚。
「名前、アタシが団長のとこまで案内するよ。…ほら、またいつでも会えるんだからそんな顔するんじゃないよ」
自覚した途端に泣きそうになっていたようで、皆が心配そうに見つめてくる。
目に涙を溜めて、何とか流すまいと踏ん張り、笑顔を作る。
「今度はもと早く顔出すよ。じゃないとまた旅団ぴりぴりするね」
「そうね。ヒソカから聞いていると思うけれど、近いうち大仕事があるの。その時にでも顔を出して頂戴?」
「お、今度は名前とも仕事が出来るのか?そりゃ、楽しみだな」
「ウボォー、誰も一緒に仕事するなんて言ってねぇよ。…まあ、また刀の使い方でも教えてやるからよ」
「俺もまた相手になってやる。だからまた戻ってこいよな」
「じゃあ俺は情報収拾の仕方でも教えてあげるよ。あとは、ちょっとした医療知識とかね。あって困らないと思うし」
マチに続いてフェイ、パク、ウボォー、ノブナガ、フィンクス、シャルが私を元気づけるようにして言葉をくれる。
嬉しい言葉に、耐え切れなくなった涙が一筋頬を伝う。
それでも表情は先ほどまでの沈んだ顔ではなく、晴れた顔。
『…そうだね。またヨークシンで会おうね!!』
にこりと微笑むと、皆もまた微笑んだ。
新たな約束〈名前ってば、本当に癒し要員よね〉
〈ホントだよ。いつまで経っても純粋な奴はずっと汚れないもんだねぇ〉
〈小動物みたいよ、名前。小さいし小動物て言葉似合うね〉
〈小さいって、フェイタン、お前も人のこと言えねぇ…いだだだっ!!〉
〈フィンクス、フェイタンの地雷踏んだね。…名前は小動物は小動物なんだけど、野良猫っぽくない?〉
〈シャルナーク、いい例えすんな!!確かに警戒心だけは人一倍あるしな!!〉
〈ウボォー、それだけじゃねぇぜ。名前は懐いたら無防備だからな。どっちかってーと野良犬だな〉
(最後のノブナガの一言に妙に納得する旅団の皆様)
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