3

 
いつの間にか目を覚ましてからだいぶ時間が経っていた。


パクとマチの言葉に、もう別れなきゃいけないのかと自覚。


「名前、アタシが団長のとこまで案内するよ。…ほら、またいつでも会えるんだからそんな顔するんじゃないよ」


自覚した途端に泣きそうになっていたようで、皆が心配そうに見つめてくる。


目に涙を溜めて、何とか流すまいと踏ん張り、笑顔を作る。


「今度はもと早く顔出すよ。じゃないとまた旅団ぴりぴりするね」


「そうね。ヒソカから聞いていると思うけれど、近いうち大仕事があるの。その時にでも顔を出して頂戴?」


「お、今度は名前とも仕事が出来るのか?そりゃ、楽しみだな」


「ウボォー、誰も一緒に仕事するなんて言ってねぇよ。…まあ、また刀の使い方でも教えてやるからよ」


「俺もまた相手になってやる。だからまた戻ってこいよな」


「じゃあ俺は情報収拾の仕方でも教えてあげるよ。あとは、ちょっとした医療知識とかね。あって困らないと思うし」


マチに続いてフェイ、パク、ウボォー、ノブナガ、フィンクス、シャルが私を元気づけるようにして言葉をくれる。


嬉しい言葉に、耐え切れなくなった涙が一筋頬を伝う。


それでも表情は先ほどまでの沈んだ顔ではなく、晴れた顔。


『…そうだね。またヨークシンで会おうね!!』


にこりと微笑むと、皆もまた微笑んだ。




 新たな約束


〈名前ってば、本当に癒し要員よね〉


〈ホントだよ。いつまで経っても純粋な奴はずっと汚れないもんだねぇ〉


〈小動物みたいよ、名前。小さいし小動物て言葉似合うね〉


〈小さいって、フェイタン、お前も人のこと言えねぇ…いだだだっ!!〉


〈フィンクス、フェイタンの地雷踏んだね。…名前は小動物は小動物なんだけど、野良猫っぽくない?〉


〈シャルナーク、いい例えすんな!!確かに警戒心だけは人一倍あるしな!!〉


〈ウボォー、それだけじゃねぇぜ。名前は懐いたら無防備だからな。どっちかってーと野良犬だな〉


(最後のノブナガの一言に妙に納得する旅団の皆様)
 

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