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目を開けるとフカフカのベッドで寝ていた。
くるりと寝返りをうつと、額がヒソカの胸板に当たる。
もぞもぞと動いてヒソカに擦り寄ると、ヒソカがクツクツと笑った。
『起きてたんだ。…ねぇ、ここどこ?』
長い睫毛が朝日を反射していて綺麗…。
じっ、とヒソカを見つめていると更にヒソカが笑った。
「ヨークシンにあるホテルだよ◆」
部屋を見回すと、高級ホテルであることが分かる。
しかもスイートルームなんじゃないか?
備えつけのキッチンまで付いている。
『無駄遣い反対。…何階にあるの?』
「10階◆ギリギリ大丈夫だろ?」
『うん。ねぇヒソカ、用事済んだら天空闘技場行きたい』
「うん、じゃあ早く済ませて行こうか◇」
ルームサービスで朝食を済ませ、ヒソカが選んでくれた服で流星街を目指す。
スカートがひらひらと風に舞って、少しだけ歩きにくい。
それを見越したのか、ヒソカが私を抱っこした。
随分小さい子供にする扱いだけど、楽だしそこは気にしないでおこう。
きゅっ、とヒソカの首に腕を回して落ちないように固定。
頭をヒソカの胸板に押し付けるようにして寝る体勢に入る。
「また寝るのかい?」
『眠いんだもん。…おやすみ』
言うが早いか、直ぐに意識は途絶えた。
私生活=ヒソカ〈あー…、名前今頃何してんだろ。ヒソカと合流したのかなあ……〉
〈キルアってばさっきからそればっかり〉
〈だってさあ、名前と離れる何て思わねぇじゃん〉
〈まあ、俺も名前と一緒にいたかったけどさ。…ねぇ、キルア、やっぱり名前のことすっごい好きなんだね!〉
〈はあっ!?ば、馬鹿言うなよ!!〉
〈キルア真っ赤だよ〜?〉
〈う、うっせ!!〉
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