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執事室に向かって走る中、私はカルト君に謝罪メールを送った。
この様子じゃ、直ぐに他のところへ移動しなきゃいけないだろう。
「名前、さっきから誰とメールしてんだよ?」
『カルト君。約束破っちゃいそうだから』
「ふーん」
ピロロンと、ものの数秒で返事が返ってきた。
返信早っ!と、驚きながらもメールの内容を確認。
そこには、“お兄様と行くんでしょ?…また遊びに来てくれるんなら許す”とあった。
私はカチカチと携帯を弄って、お礼を打った。
今度来るときは、何かカルト君にお土産でも持って来よう。
ゼノさんには会うことも出来なかったし、ゼノさんにも何か買ってこよ。
あ、あとミルキにも会ってないな、今回。
まあ、ミルキだしいっか。
††††††††††
メールの内容とか思い出すと、ちょっと頬が緩む。
カルト君ってホント可愛いよね。
「…何ニヤニヤしてるんだよ」
『あれ、ニヤニヤしてた?』
キルアが少しムスリとしながらそう言ってきた。
何が気に入らないの、キルア。
「何かいいことあったのかよ?」
『ううん。思い出し笑いだよ』
「それって、男?」
あ、もしかしてヤキモチか?
ふふっ、何かキルアって意地悪したくなっちゃう可愛さだよね!
『内緒!』
「はっ!?何だよ、それ!?」
焦ってる焦ってる。
キルアってヤキモチ焼きだよね。
ゴンとかがヒソカに好かれてるの嫌みたいだし。
あれか、独占欲強いって奴なのか。
キルアがまだ何か騒いでるけど気にしないで無視しよう。
「名前!聞いてんのかよ!?」
『聞いてる聞いてる。ほら、早くゴン達のとこ行くよ』
私、たぶん中の人の年齢高いだろうな。
何か、兄弟達の中の人年齢が低いと妹がしっかりする奴だよ。
もしくは暗殺者っていう環境のせい。
あれ、でも同じような環境のキルアは私よりも年相応?
…理由は不明だな。
(あくまで自分も子供っぽいところがあるとは自覚していない名前)
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