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キルアとシルバさんが試験の時のことを話し合って、久しぶりに家族水入らずって感じ。
ゴンのことをキラキラとした笑顔で話すキルアは普通の少年と変わらない。
「そうか。面白い子だな、そのゴンって子は」
「うん。一緒に居ると楽しいんだ。もちろん名前と一緒に居るのも」
キルアの言葉に嬉しくなる。
私と一緒に居て楽しいと思ってくれているなら光栄だ。
「ならキルの将来の嫁候補にはやはり名前も入れとくべきか」
『…小声で何言ってるんですか』
「いや、ビジネスパートナーとしても嫁としても問題ない逸材でキルも気に入ってるなら尚更キルの嫁に、とな。どうだ?」
嫁とか決めるの早くないですか?
そして、キルア。
君、とっても可愛いけど照れて怒りながらも否定したりとかはしないんだね。
『まあ考えておきますよ。キルアさえよければの話しですけど』
「キルがダメならイルミもいる。歳は離れているが、それなりに仲がいいだろう?」
イルミって年上すぎやしませんか?
一回り違うんですけど。
苦笑いを浮かべると、キルアが強制的にこの話題を変えた。
キルアはシルバさんに家を継ぐ気もなく、家を出ると言った。
シルバさんは家を出ることを許し、いつでもここに戻って来いと告げて、条件を述べる。
侵入者3人を殺せ、か。
キルアは複雑な顔をしながらもそれを受け入れると扉へと歩き出した。
私はシルバさんにぺこりとお辞儀をしてキルアの後に続く。
部屋を出てすぐの廊下にいたキキョウさんとカルト君に冷ややかな目線を送り、キルアは早足で歩いて行く。
二人にもお辞儀をして、キルアに着いていく私なのだった。
「なあ名前。…ありがとな、来てくれて」
『当たり前じゃん。だって私達、友達でしょ?』
にっ、と笑って拳を軽くキルアの額にぶつける。
キルアは柔らかく笑って頷いた。
資格-後編-〈友達になる資格ってたぶん、相手をどれだけ想えるかってことだよな〉
《そうだよ、キルア。きっとそう。身分なんて関係ないんだよ》
〈そうだな。…よし、早くゴン達の所に行こうぜ!〉
《ゴン達、ここに来てるの?》
〈ああ。だから急ごうぜ!〉
《うん!!》
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