あぁ、もう!イライラ、イライラ。


「秋ちゃんは一之瀬の彼女じゃないんだよぉぉお!!!!」


「せや、ダーリンはうちのや!」


「いやいや、2人とも落ち着けよ」



悪いが塔子よ…これが黙っていられるか!
(私の)秋ちゃんが一之瀬にドリンクを渡したまではいいよ、秋ちゃんは優しいからね!
けど、ありがとう秋は優しいねって頭撫でるのは許せん!

(私だって秋ちゃんの頭なでなでしたい…!)



「なまえ、そんな好きなら隠れて叫んでないで自分から話せばいいのに」


「それが出来たら苦労しないよ塔子」


「まあなまえはシャイやから仕方ないっちゃあ仕方ないかもな」


「リカ、"彼女じゃないんだよぉぉお"って叫んでる奴のどこがシャイなんだよ」



失礼な、私は意外とシャイな子なんだぞ。
秋ちゃんと仲良くなりたくてサッカーに興味持ったようなもんなんだから…
(サッカーはお兄ちゃんから仕込まれたからそれなりに出来る方なんだよ!)


「よしわかった、ウチが作戦考えたる!」


「まじか」


「まずな、次の休憩で真っ先に疲れたー言いながらベンチに走んねん」


「うん」


「で、秋にタオル取ってって頼むんや!よし頑張ってこ」


「それ計画なのか?」


「細かいこと気にすんなや塔子!」


「……ま、頑張れよなまえ!あたしも応援してっからさ!!」


「うん!」






2時間後。厳しい練習が終わり監督から休憩時間が言い渡された。


「(今やなまえ!)」


リカからのアイコンタクトで行動に出る。



「疲れたあああ!」


明らかに感情が篭っていない私の異様な行動。
今きっと鬼道あたりが何でベンチに猛ダッシュ?みたいに思ってるに違いない…


「(あぁ!バカ、行き過ぎだ!!)」



地面ばっか見ていたせいかタオルゾーンを通り過ぎてしまう私。
(これぞまさにデスゾーン…!)

だがここでめげる私ではない、まだここなら秋ちゃんに声が届く!


「あ「はい、これ」……」


私の目の前にタオルがぐいっと差し出される……一之瀬によって。



「通り過ぎてたからなまえのも取っておいたよ」


「…一之瀬………」








お前はお呼びじゃない

(あれ?拭いても拭いても汗が拭えないや…)

(悪いけど秋、なまえにおにぎり作ってやってくんない?)
(?いいよ??)



* * *


氷乃ちゃんより8万打祝いにいただきました!
この秋ちゃん大好き具合が完全依緒璃でちょっとビビりました(笑)
もちろん他の稲妻ガールズも氷乃ちゃんも大好きでry