03



「へぇ…アリシアはアメリカから来たんだね」
「うん!ティピカはイタリアでしょ?私ちょっとフィディオ・アルデナに憧れてるんだよね…!」


あとイタリアって国はかっこいい、そう私が言うと、フィディオとは友達なんだ、とティピカが嬉しそうに笑った。


今は監督が出掛けているらしく、自主練の時間らしい。
アスカの話ではアキは買い出しに行っていて、今は学校にいないらしい。
私がアキに会いに来た、と言うと、アスカとカズヤは納得の表情を見せた。
そして、今はティピカが話し相手になってくれてる。


「…なんかごめんね、ティピカ。ティピカも選手、なんだよね?」
「うん、でも、アリシアのこと放っておけないし!」


やばい、この子天使だ…!
ジャパニーズナデシコであるアキに匹敵する優しさだ…!


「ティピカ…大好き!」
「あはは…ありがとう、アリシア」


なんかさっきから練習中の男子の何人かがめちゃくちゃ引いた目でこちらを伺っているけど、気にしない。
ただちょっとムカついたから、カズヤにだけは近くにあったボールを蹴って、顔面に食らわせた。
カズヤの隣にいたマフラーした子はニコニコ笑っているけど、今の一瞬で一気にグラウンドの気温が下がった、ように感じる。


「すっげー!アリシアもサッカー出来るんだな!」
「いやいや、昔ちょっとかじっただけよ」
「でも凄いキック力だったよ!今度ティピカと勝負してよ!」
「違うよ、ティピカ…今のはエンコンって奴だよ。だから勝負は遠慮したいな」


私の言葉に、ハテナマークを浮かべる人数人、顔を青ざめる人数人、気絶するカズヤと介抱するアスカ。
そうしてなんか変な空気になっていると、視界の隅でアキを捉えた。



「っアキー!!!」
「わっ、アリシア!?何で日本に!?」
「もうアキ可愛い大好きだよずっと会いたかったー!」


私は買い物袋ごとアキに抱きついた。
アキに必死な私は彼女に抱きつきつつも、ライモンの人達がこそこそ話す声を聞いた。


「なぁ、あのアリシアって子、日本語分かってるのか?」
「多分…」
「でも二人って凄く仲いいんだね!」
「いや、まぁ…」


ちょ、おいアスカ…!
中途半端なフォロー入れんなし!
でもやっぱティピカは天使だ。
懐かしのアキの匂いを堪能しながら、私はそう思いました。(某ジャパンの侍漫画参照に作文風)



 


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -