02



「ここが雷門だぞ!」


マモルに案内され、門をくぐると、直ぐにグラウンドが目に入った。
既に数人がそこにいて、各々アップしている。


しかしそこにアキの姿は見当たらない。
ついでに言うと、カズヤやアスカの姿もなかった。


「…円堂、その人は?」


私がキョロキョロしていると、水色のポニーテールの可愛らしい子が、恐る恐る近づいてきた。


「あぁ、こっちはアリシア!…えーっと、何でここに来たんだっけ?」
「ある人に会いに来たの」


そう言えば、アイツじゃね?誰か呼んでこいよ、と周りがガヤガヤ言う。
一人の可愛い眼鏡を頭に掛けた女の子が、呼んで来ます、と言うと、どこかへ走って行った。
…やっと、アキに会えるんだ!


―――――――――
―――――


「「えっと、どちらさまですか?」」


目の前のエメラルドグリーンの髪をした可愛らしい女の子と一緒に、そう口に出してしまった。
てか、どう見てもこの子、ジャパニーズじゃないよね…。
あぁ、だから外人=外人になったのか、と一人納得していると、周りの視線が怪しくなってきたので、とりあえず口を開く。


「こんにちは、アリシア・ホーキンスです。よろしくね」


ニッコリ笑ってそう言うと、目の前の子は一応笑ってくれた。
…周りの目はまだ厳しいけど。


「こんにちは、ティピカは柏木ティピカだよ。よろしくね」


ティピカがニッコリ笑った。
でもニコニコしてるのはティピカとマモルだけだし、なんかスキンヘッドの人は睨み付けてくるし…!


「アリシア…!?」


背後で自分の名前を呼ぶ声がしたから見ると、そこには懐かしき友人の姿があった。


「アッスカー!おかんー!俺だよー!久しぶりー!」
「あ、あぁ…久しぶりだな、アリシア。相変わらず…元気だな」
「あれ、アリシア、俺は無視?無視の方向なの!?」


そこにはアスカとついでにカズヤもいた。
アスカは何やらげんなりしている。カズヤはうるさいからこの際無視だ。シカトだ。


周りも、やっと不審者じゃないと判断したのか、警戒を緩めた。
…でも、猫被りを止めてしまったから、別の意味で視線が痛い。



 


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