01



「やっと着いたぜジャパン…」



合宿を終え、なんとか学祭の準備も無理矢理早く終わらせ、ジャパンに来れるようになったのは、8月が始まって2週間程経った時だった。ジャパンではオボンって時期だよね。あんま詳しくは知らないけど。


私は最近忙しかったが、アキも何やら色々あって、国中を旅しているらしい。
…ならジャパンに来たってアキに会えないって?
フッ…ちょうど町に戻っている時を狙ってやってきたのさ!私頭いい…!


早速アキのいるであろうライモンに向かった。
ちなみにアキには来ることを言っていない。所謂サプライズさ!



それにしても……迷った。
…なんかここ、閑静な住宅街だし、交番どころかお店すら見つからないし、どうしよったなー。
とりあえず宛てもなく歩きながら頭をひねっていると、いきなり向かいの家のドアが開いた。
行ってきまーす、という元気のいい声と共に、一人の男の子が飛び出してくる。



「すみません」


男の子に声を掛けると、彼はギョッと目を白黒させた。
…外人だからかな?日本語喋ってるけど。


「ななななにかようですか!?」


なんかめちゃくちゃ困ってるな。
凄く申し訳なくなる。



「私、ライモンに行きたいのですが、道教えてくれませんか?」
「へ…?ライモン?って、雷門中学のことですか?」
「イエス!道案内、頼めますか?」
「雷門中なら俺も今から行くところだし、いいですよ!」


そう言って彼はニッコリ笑った。
手にはサッカーボールを持っている。
…サッカー部員?


「私はアリシア。あなたの名前を聞いてもいいですか?」
「俺、円堂守!よろしくな!」


エンドウ、マモル…それってアキのチームのキャプテンじゃ…!


「よろしく!マモル!」


私が笑って言うと、マモルは照れたようにはにかんだ。



 


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -