02



「あの、心愛さん……この部屋は?」
「ここ?」

心愛に連れられて入った部屋には、たくさんのものが散乱していた。
そして人影も複数見える。

「何、心愛、綱吉に言い付けて何とかなったの?」
「ははっ、ツナはそんな面倒なことする訳ないのなー」
「さぁ、心愛、辛かったですよね…。僕の胸に飛び込んできなさい!ウェルカム!」
「死んで下さい、骸様(仮)」
「クハッ……!」バタッ
「………!?」

部屋にいた四人の守護者は口々に心愛に声を掛けるが(その際、死者が一人出たが)心愛の背にすっぽりと隠れたミラには気が付かなかった。

「ふふっ、聞いて驚け皆の衆!
私は綱吉の魔の手から一人の少女を救出してきたのだ!」
「「……は?」」
「…心愛、どういうこと?」
「じゃーん、ミラちゃんでーす!」
「あ、こんにちは…」

ずい、と四人の守護者・山本、雲雀、クローム、そしてほとんど死んでる骸の前に差し出された。

「その子って………まぁいいや」

雲雀が何か言いかけたが、結局最後まで言葉が紡がれることはなく、彼はすぐ手元のゲーム機に意識を戻した。
それを見た心愛も、ゲーム機の存在を思い出す。

「…あ、そうだ!ミラちゃんも一緒にゲームしようよ!サッカー好き?」
「あ、見るのなら…」
「ルールは知ってるよね?」
「一応…」
「なら早いや!これ、日本のゲームなんだけどやってみない?」

ミラは差し出されたゲームを受け取ってまじまじと見た。
初めて見る形状。携帯に近いけど重みが違う。

ミラが目を回していると、意外にも雲雀が助け船を出した。

「そんないきなり言われて分かるわけないでしょ、心愛が見本でも見せなよ」
「あ、そっか!」
「心愛……次は頑張って!」
「ありがとね、クローム!
武も後で勝負しようよ!」
「いや、だから俺は野球派で…」
「「負けるのが怖いの?」」
「ははっ、そこまで言われたらやるっきゃないよな!」
「ふふっ…」

ミラは思わず吹き出してしまった。
ボンゴレも自分のファミリーと同じような温かいファミリーで安心したのだ。

「ミラちゃん…?」
「すみません、今日は沢田さんにお願いがあってきたんです。
ここに来るまで、少し不安もありましたが、皆さんを見て、安心しました。
……心愛さん、」
「え、何!?」
「あなたが空を飾る夜なら安心出来ます。
これからよろしくお願いします。
それでは失礼します」

そう言ってミラは部屋を出て再び応接室に向かった。
その後、会談はまとまり、ボンゴレとジッリョネロは密かに同盟を組むことになった。

「ミラちゃん…!」
「……心愛さん、」

ボンゴレの屋敷まで来た迎えの車に乗ろうとした時、ミラは心愛に声を掛けられた。

「また今度遊びにおいでよ!」
「……でも、」
「今日から私達は友達ね!
だから遠慮は無しね!
今度こそゲームしよう!」
「……はい」

そしてミラは車に乗って屋敷を後にした。


(姫、会合は上手くいったみたいだな)
(……お友達が出来ました)
(は?)
((お友達、か…。ふふっ、心愛さん、素敵な人だったな…))

* * *

共演小説第二段でした!
『仲間達!』の皆と心愛ちゃんの口調が怪しさ満点ですが、私は楽しかったです\(^O^)/
貸し出しありがとうございます!
最初シリアスっぽいのに途中から急に緩くなったりイナゴゲームネタがあるのは完全に趣味です。すみません…。
てか骸さん死んだままだ(笑)

続き、なんて暴挙に出るかもしれない←

 


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