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「ようこそ、ボンゴレへ。
歓迎します、ジッリョネロファミリーボス兼大空のアルコバレーノ・ミラ嬢」
「お招きありがとうございます、ドンボンゴレ・沢田綱吉さん」

ボンゴレの屋敷は、ジッリョネロの様にジェッソに苦戦している気配は見せなかったが、守護者を始めとする戦闘員を見ないことや、廊下の使用人が慌ただしい様子からも、ボンゴレの現状が窺えた。

「…騒がしくてすみません」
「いえ、この状況下では当然かと。
今回は是非、沢田さんに協力していただきたく、お願いに上がりました」

沢田綱吉の力強い視線を見て、ミラは再確認した。
頼れるのはこの人しかいない、と。

「勿論、古くから交流のあるあなた方ジッリョネロファミリー、いや、大空のアルコバレーノのお願いなら、可能な範囲、是非とも協力させてもらいたいと思います」
「ありがとうございます。
早速ですが…」「綱吉ィィィィ!!!」

ドタバタと一人の人物が二人のいる応接間に飛び込んできた。

ミラは目を見開き、綱吉は眉間に皺を寄せている。

「ちょっと聞いて聞いて!恭弥がズルするんだよ!
化身使いは3人までって約束したのに、タイタニアスにアポロに、そしてポーンを4体も出すんだよ!?しかも文句言ったら、『ポーンは4体いないとぽぽぽぽーんにならないだろう?』なんて言うんだよ!?あり得ないよね!?」

入ってきた女性は、何やら矢継ぎ早に綱吉に訴えているが、肝心の綱吉の様子に気づいていない。
彼の目は笑っているようで全く笑っていなかった。

「……あれ、お客さん?」

綱吉の怒りのサインには全く気づかないまま、ボンゴレ夜空の守護者である彼女・望月心愛はミラを不思議そうに見た。

「初めまして、夜空の守護者の心愛さん。
私、ミラと申します」
「心愛、言っとくけどミラさんは…」
「え、ミラちゃんって言うの?誰かの付き添い?
綱吉なんかと喋ってても何にも面白くないよ!ってな訳で私が屋敷を案内するね!レッツゴー!」
「え、あの…」
「ちょ、おい、心愛!」

ミラはそのまま手を引かれ、応接室を後にした。

当然、綱吉が怒りを顕にしたのは言うまでもない。
手元にあった書類がグシャリと音を立てた。

 


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