ミニマム猩影



*腹ごしらえ!2


そうして猩影に手伝ってもらいながら作ったのはパスタだった。
子供も好きそうなたらこ味。
猩影にはたらこをほぐすのと、配膳を頼んだ。
一生懸命菜箸と戦う猩影には癒されていた。危うく沸かしていたお湯を吹きこぼしそうになるくらいには癒されていた。


「「いただきます!」」


とりあえず、テーブルで向かい合ってパスタを食す。
猩影はと言うと、たらこをあちこちに飛ばしていたり、床につかない短い足をブラブラさせていたりと、少々お行儀が悪い。


「猩影、たらこ、いっぱい落ちてるよ。あと、ご飯の時は足ブラブラしちゃダメ」
「……う、うん。ごめんなさい」


猩影はしゅんとすると、慌てて落ちたたらこを集めて食べて(それもちょっと微妙だけど)、足もピン、と伸ばした。


「いいこ、いいこ」


とりあえず謝ったことと、すぐに言うことを聞いたので、頭を撫でた。
嬉しそうに頬を染める猩影に、思わず抱きしめたくなってしまった。


続く


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