冷たい風は全てを凍えさせ、僕らの思い出さえも
春が来て
夏が来て
秋が来て
冬が来る
そしてまた春がきて
夏が来て
それが昨日まで当たり前だと思っていた
いや、頭のどこかではまた春が来るってちゃんと分かってはいる
でも、漠然とした想いが、俺はこのまま冬に取り残されていくんじゃないかと思わせる
春が一番似合っていたおまえが、その春を目の前にして消えてしまった
悲しみを通り越して、心に穴が開いたような気分だ
もう墓石を目の前にしても、涙は出なくなった
ただ冷たい風が体を撫でていき、おまえの体温を頭の隅へと追いやっていく
いっそ、思い出全部を凍らせてしまえればいいのに・・・
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