心が揺れ動く君を、引き渡すことはできないから
まだ俺は幼くて
どんなに頑張っても世界の波に抗う事は出来ないんだ
だから、お前が望んだことならと
無理に自分の気持ちに蓋をしようとした
それがお前にとって一番いい事なら
この現実にも納得出来る気がしたんだ
そう、確かにそう思っていたはずなのに
遠くを見つめる視線はどこか寂しげで
漏れる吐息は憂いを含んでいた
あぁ、一度波に逆らってみるのもいいかもしんねーな
不安から冷え切った手をとって
驚きから目を見開くお前に一言告げるんだ
「 お前を誰にも渡したくねぇんだ 」
- 10 -
[*前] | [次#]
ページ:
企画TOP
サイトTOP