心が揺れ動く君を、引き渡すことはできないから

まだ俺は幼くて
どんなに頑張っても世界の波に抗う事は出来ないんだ

だから、お前が望んだことならと
無理に自分の気持ちに蓋をしようとした

それがお前にとって一番いい事なら
この現実にも納得出来る気がしたんだ


そう、確かにそう思っていたはずなのに


遠くを見つめる視線はどこか寂しげで
漏れる吐息は憂いを含んでいた

あぁ、一度波に逆らってみるのもいいかもしんねーな


不安から冷え切った手をとって
驚きから目を見開くお前に一言告げるんだ


「 お前を誰にも渡したくねぇんだ 」



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