会えなくても大丈夫だから、最初で最後の嘘をついた
旅立つあなたの決意を揺るがしたくなかった
そう言えば聞こえはいいけれど、結局の所は遠ざかるあなたに疎まれるのが怖かっただけ
頭では分かっていても、現実味は湧かなくて
旅立とうとするあなたの背を見ても涙は出てこなかった
『わりぃ・・・』
『何でエドが謝るの。仕方がない事でしょ?』
昨日の出来事が突然頭を過ぎる・・・
『・・・・・・平気なのか?』
・・・エドが言葉少なくなる時は、罪悪感を感じてる時で・・・・・・・・・
『大丈夫。だから・・・・心配しないで行って?』
私は無理に笑みを作って、心にもない言葉を口にした。
遠ざかる背が振り返り、真っ直ぐと目があった。
その視線に笑みを返して軽く手を振る。
あなたの瞳が悲しげに歪んだように見えたのは、きっと私の願望が映した幻だろう・・・
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