3.惑わせてみたい


「Question 1!」



「・・・・・なんだ?」





私が笑顔で発した言葉に、リオが凄く嫌そうな顔で振り向いた。


しかし残念ながらもこんなリオの態度に慣れきっている私は、サラッと無視して続ける。





「1.大佐の顔した中身ハボック少尉、

2.ハボック少尉の顔した中身大佐。

付き合うならどっち?」





笑顔のまま投げかけた問いに、嫌な顔をしていたリオが急に真面目な表情をして考え始める。


数秒宙を見上げて、何を想像したのか思いっきり顔を顰めた。


そして凄く嫌そうな顔に戻って答えを口にする。






「・・・・・・・1」




「見た目は大佐でもいいんだ?」




「付き合うならやっぱり中身の方を重視するだろ?

最悪うちは目を瞑る」






ふむふむとリオの答えに頷いてみせる。


やっぱりリオ的には大佐のあの軽い感じが嫌なのか・・・


まぁ見た目はあれだから一応問題ないのかもしれない。


ではでは・・・




「Question 2!」



ビシッと指2本を立てて再びリオへと問いかける。





「1.大佐(声のみグリード)、

2.グリード(声のみ大佐)。

口説かれるならどっち?」





「・・・・・・・・・・・・・」






黙り込むリオ。


私は更に顔を近づけて再び問う。





「どっち?」




「ぐわぁ〜〜〜、その質問をうちにするか?

つーか、なんで無能を選択肢に入れんだよ!!!」




「まーまー、その辺は気にしなくていいから!

さぁどっち?」






暴れだしそうなリオを軽く流しつつおさめる。


しかし答えだけはしっかりと要求すれば、リオが眉根を寄せて考え始める。





「・・・・・・・・・」




「中身重視なら断然2だよね〜。

でもリオさんにとっては声のウェイトってかなり高いもんね〜。」




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




「しかも今回は付き合うじゃなくて、口説かれるならだもんね〜。

口説かれるならやっぱりいい声で口説かれたいよね〜」




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




「でも中身はそのままだからね〜〜。

・・・・・どーします、リオさん?」






どちらを答えても私的には面白い。


答えを急かす私に、俯けていた顔をリオがスッと上げる。


そして・・・






「・・・・・・・・・マイ」



「ん?」




「・・・・・・・・・うちに、少し考える時間をくれ」



「・・・・・うっうん」







今までに見た事が無いくらい真剣な様子に、頷くしか出来なかった。


あぁどうしよう。




(あそこまで悩ませるつもりはなかったんだけどなぁ・・・)





何やらブツブツと呟き始めた友人の姿に、凄く申し訳ない気分になってしまった・・・



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