嘲弄


「ブッ、アハハッハハハハハハ!!!」







うちのその笑い声は東方司令部中に響き渡ったと思う・・・













とにかく爆笑、大爆笑!


いや、さすがにうちだって何も無いのにこんなに笑ったりしない。




原因は今から十分ほど前・・・



いつものように書類を持って執務室へと入ると、そこはもぬけの殻状態だった。


いっせいに休憩時間なんてはずもねーし、うちはいぶかしみから眉を寄せた。


それでも、書類だけはとりあえず置こうと大佐の机に近付いたその時・・・



机の影に隠れている存在に気付いた。




机の影だ、机の影・・・




んな小さなところにすっぽりと隠れるように何かがいる。


別にブラハが入り込んでるってわけじゃねーし、そりゃ覗くだろう誰だって!





んで、・・・・・・・・うちは子どもになっている大佐を発見した





何がどうなってとか、もうこの際理由なんてどうでもいい


どこか引き攣った笑みで、それでも「やぁ」なんて誤魔化すように手を上げる大佐の姿に爆笑!






いやこれはもう笑うしかないだろう!!







腹筋が悲鳴を上げるほどのうちの爆笑に、目に見えて大佐は落ち込んでいた。







「ブッ、アハハハハハ!

ひぃ、ヤベェマジで苦しい、アハハハハッ!!!」




「・・・そろそろ落ち着いてもらえないだろうか」




「だぁ!その姿でんな喋り方止めろ!

笑い死ぬ、笑い過ぎてマジで死ぬ!!

アハハッハハハハッ!!!」




「・・・・・・・・・・君達もそろそろ出てきて止めてくれないか」








疲れきったような大佐がうちの後ろにある机の方に向かって口を開く。


すると、ゆっくりとだがリザ姉やハボ兄達が出て来た。



しかしその姿は、皆揃いも揃って子ども。



さすがに爆笑もここで止まる。


その代わり・・・・






「ぐわぁ〜〜〜〜ヤベェ、マジで可愛い!!!」





「ちょっ、リオ落ち着け!」





「なっ!!!

何故私に対してはあれだけ笑っていたのに少尉は抱きしめるんだ!!!!」





「うっせぇーな〜。

お前に可愛げが無いのがわりーんだよ!」





「・・・・・・・」





「ちょっ、大佐?!

俺に向かって発火布向けるの止めて下さいよ!!!」






「煩い!なら今すぐリオから離れろ!」




「無茶言わんといて下さいよ!!!」









大佐とハボ兄のやり取りも、リザ姉の呆れたような溜息も・・・


今のうちの耳にはどれももちろん届いてはいなかった。



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