溺愛


「〜〜〜〜〜っ、可愛い!!!」







私のその叫びは宿中に響き渡ったと思う・・・













とにかく感動、感無量!



視線を斜め下へ動かすと、まず目に入るのはアンテナ。


斜め上じゃなくて、斜め下!




ここ重要、最重要!




別にアンテナの持ち主が座ってるわけじゃない。


立ってるのに私の視線は斜め下へと向けないといけない。



それは何故か!



答えは簡単、朝起きたらエドが子どもになっていたから!





何故急にとか、もうこの際理由なんてどうでもいい!!!


だって今私の目の前には原作やアニメで見たとおりのあの幼いエドがいるんだから!!!






なら抱きしめる以外にする事なんてないじゃない!






私はその気持ちを素直に受け入れると、ギューーーーッと目の前の体を抱きしめた。







「やーーー超可愛い!超可愛い!!超可愛い!!!」




「っ、おいマイ!落ち着け!!!」




「やーーーマイって言った!マイって言った!!マイって言った!!!」




「いつも呼んでんだろーが!

だぁーーーアル!アルフォンス!!マイをどうにかしてくれ!!!」






私の高過ぎるテンションにエドは早々とダメだと悟ったらしくアルに助けを求める。


やっぱり体が小さくなって力も弱くなっているらしく、私が思いっきり抱きしめれば自力で逃げ出す事も出来ないらしい。



これはいい、滅茶苦茶いいじゃない!





「・・・・・マイ、笑顔が凄く怪しいことになってるよ」




「えっ?!

やーーねーーーアルの気のせいよ〜〜〜

それよりアル!

元に戻る方法が分かってもまだ戻さないでね?!

こんな機会もう二度と無いだろうからしっかり写真に撮っとかないと!!!」





「・・・・・あぁ、うん。

もう好きにしていいと思うよ」





「なっ?!アル!見捨てんのかよ!!!」





「今のマイはきっと誰にも止められないと思うよ・・・」





「ん〜〜〜このままでも可愛いけど、せっかくだから服も用意して・・・・

うわぁ〜〜〜してもらいたい格好があり過ぎて迷っちゃうなぁ!!!」






「アル!何とかして止めてくれ!!!」




「何とかって・・・・」






「あ〜〜〜、もうどうしよほんと可愛い、超可愛い!

今日はギュッて抱きしめて寝たいなぁ〜〜〜」






「っ!!!アル!!!!!」







エドの必死な叫びも、アルの疲れきった溜息も・・・


今の私の耳にはどちらももちろん届いてはいなかった。



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