12 呼ぶ声

マイと娘ある夜の小話
そろそろ子供の名前を出さずに書くのに限界を感じてきた・・・( ̄~ ̄;)





「お母さん」






暗闇の中、小さく呼ぶ声に目を開ける。


隣で寝ていたはずの娘はその瞳を開いていて、ギュッとこちらに抱き付いてきていた。






「どーしたの?」






安心させるように優しく頭を撫でながら問いかけた。


すると少しの間を置いて、小さな答えが返ってくる。






「・・・・・怖い夢、見たの」






少し涙ぐんでいるようにさえ聞こえるその声。


小さな娘にはよほど怖い内容だったのか、必死に伸ばしてくる手の力は結構強い。


頭を撫でるのとは逆の手で、その背中をそっと叩けば小さく吐き出される息。






「大丈夫、大丈夫よ」






小さなその存在にとって、私は甘えて縋れる存在らしい。


暫くすれば安心したようにまた聞こえ始めた寝息に、小さく笑みを漏らす。


怖い時、不安な時に頼って呼ばれる事を嬉しく思ってしまう。


もちろん私は万能な人間なんかじゃないので、どんな事からでも守って助けてあげられるなんて保証は出来ない。


それでも呼ばれれば目をむけるし、手を伸ばされれば迷わすその手を取る。


私にとって守るべき存在であり、愛しく抱きしめたい存在なのだから・・・






次の日、「昨日怖い夢見たの」と抱きつく娘をしっかりと抱えあげるエドの姿に思わず微笑んでしまった。



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