11 御伽話

マイとエドのかーなーりー未来の小話
設定を考えるのが楽しくて仕方がない( ̄▽ ̄)







「むかーし昔、ある所に・・・」






そのフレーズがから始まる物語。



登場人物は可愛い女の子だったり、綺麗なお姫様だったり、可憐な人魚だったり・・・


幸せな結末の話もあれば、悲しい結末の話もある。



それでも、始まりは『むかーし昔、ある所に・・・』からで・・・




話の内容をちゃんと理解は出来ていないんだろうけど、それでもそのフレーズを口にすればその小さな二つの目はこちらへと向けられる。






お昼も食べて、日の高くなったこの時間帯。


徐々に細くなるその目に気付きつつも、話を紡ぎ続ければいつの間にかその小さな体の重さは私の方へと傾いた。


小さく聞こえてくる寝息に思わず微笑んでいれば、物音と共に後ろから声がかかった。






「・・・寝ちまったのか?」




「うん」






自然と小声でやり取りされる会話。


振り向けば、苦笑を浮べているエドの姿。


それでもその表情は柔らかくて、思わず私も笑みを浮べた。






「やっぱり女の子と男の子で違うんだね〜。

・・・お兄ちゃんはねぇ、御伽噺より錬金術の方が好きなんだって〜」






前半はエドに向け、後半は夢の世界にいるであろうその小さな存在に向けて語りかける。


柔らかなその髪の色はエドの物より少し茶色がかってるかな?


上の子は髪の色を含め見た目は本当にエドの幼い頃によく似ている。


現にあの子にとっての絵本は、エドの研究室にある錬金術の本だ。



そんなお兄ちゃんに比べ、この子はどちらかと言うと私似なのかな?


甘えんぼで一人でいるのが嫌らしく、起きてる時は誰かの傍を離れない。


思わず苦笑を浮べながら、そっとその体をベッドに横たえて布団をかける。




すると、突然後ろから抱きしめられた。






「・・・どーしたんですか、お父さん?」






まるで大きな子供みたい。


笑いを含みつつの私の言葉に、エドは囁くように口を開く。






「次は俺の相手してくれよ」




「残念でした。

次は夕飯の準備をしないといけません」




「・・・後で手伝うからよ」






そう言って抱きしめる腕に力がこもって、首筋に口付けを落とされた。


う〜〜ん、態度は大きな子供なんだけど行動と力は大人なんだから困る。







「まだ洗濯物も取り込んでないし」




「それは俺が後でやっとくからよ」






即行返ってくる答え。


どうやら諦めてくれるつもりはないらしい・・・


少し考えて、視線は自然と壁にかかっている時計へ。



小さなお姫様は夢の世界を散歩中、元気な王子様は外を大冒険中・・・






「じゃあ・・・少しだけ、ね」






そう答えればは、後は甘いひと時の始まり始まり・・・・




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