09 残り少ない

マイとエドの連載後くらいの小話
リゼンブールで既に同棲開始してるっぽいな・・・






ふっと意識が浮上する。


目を開けば、一番に視界に映ったのは自分の腕。


その向こうに見えるのは何冊かの本と、確かに自分の字で埋まっている数枚の紙。


どうやら作業の途中で寝てしまったらしいと結論付ける。


窓から見える外の景色は夜の色が近付いていて、数時間は意識を手放していたらしいとどこか呆れた。






(後ちょっとで終わるってのに・・・)






体をゆっくりと起こす。


すると肩からわずかにズレるその感触に気付いた。


手を伸ばせば、触れるのは温かい毛布で・・・







「あっ、エド起きたの?」






後ろからかかるその耳に心地いい声に思わず笑みが浮かんだ。






「あぁ。・・・これわりぃな」




「まだ夕方になると少し寒いから」







そう言ってこちらへと向かってくるマイは苦笑を浮かべて続ける。






「本当はベッドまで運べれば良かったんだけどねぇ。

どうやっても無理そうだったから」




「お前に運ばれたらショックだっての」






マイの言葉に思わず呆れから顔を顰める。


これでも一応俺は男でマイは女。


体格差だってあるし、徐々にだが身長にも差が出来ている。


いくらマイの方が年上だとしても、寝て間にベッドまで運ばれたとなればプライドが傷つく。



それに・・・






「運ぶのは俺の役目だからな」




「えっ?」






目を細め、口端を上げての俺の言葉にマイが首を傾げた。


だから俺は言葉を補うようにして、ついでに指でしっかりと示しながら続ける。






「ベッドまでお前を運ぶのは、俺の役目だろ?」




「っ!!!」






途端にかぁっと染まったマイの顔。


それにどこか満足すると、残り少しで仕上がる書類を引き寄せる。


とりあえずさっさとこれを終わらせて、それから実行に移ろうと気合を入れて・・・



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