07 どうにもならなくて

マイとリオとエドとアルの食事に関する小話
時間的には< 初、事件編 >後ぐらいかな?






「・・・米が食べたい」





ポツリと、しかしかなり気持ちというか力が篭った言葉・・・


それが耳に届いて、その声の主へと視線を向ける。






「えっと・・・・・リオさん?」




「米が食べたい」






また口にされた言葉。


どこか目が据わっているようにも見えて、異様な迫力があった。


そんなリオの様子を見て、エドが小声で私へと問いかけてくる。






「マイ、米って何だ?」




「ん〜〜〜私達の元居た国の主食なんだけど・・・」






そう、エドが知らないようにこのアメストリスにはない食べ物だ。


私はどこか笑顔が引き攣るのを感じながらも、リオへとそっと問いかける。






「あの、えと、どうしたのいきなり?」




「ハガレン世界に来てから和食を全く食べてない。

米が食べたい。

醤油、味噌、とにかく和食が食いたい」






そういうリオの目の前には、今日の夕飯であるパスタ。


もちろん醤油ベースの和風パスタではなく、トマトベースのナポリタン・・・


確かにハガレン世界に来てからはこういった食べ物ばかりで和食を口にしていない。


でも先ほども言った通り、アメストリスにはお米が無い。


無い物は食べれない。







「むすび、卵かけご飯、肉じゃが、味噌汁・・・・・」




「リオさーん。

おーーーい、何か目が虚ろだよ〜・・・」







ブツブツと呟くリオの様子は、ちょっとさすがに怖い。


どうやら和食が食べれない我慢が限界に達したらしいけど・・・






「エド、アル・・・どーしよ〜?」




「いや、どうしようも何も」




「どうにもなんねーだろ」



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