02 目覚めたら昼だった

マイとリオとお兄さんのGW中の小話
若者3人が集まってるってのに何て不健康な・・・





枕代わりにしていたクッション。


その横に転がっているはずの携帯を手探りで見つけ、何とか目を開いて二つ折りのそれも開く。


起き抜けの頭には表示されている時間をすぐに理解する事が出来ず、瞬きを1回、2回・・・


そしてやっと現在の時刻を脳が認識し、思わず呆れ混じりに呟いた。






「・・・・・うわっ、マジかよ」






時計が示す時刻は11:23。


もう昼だ。


どうりで頭がガンガンするわけだ。




変な体制で寝ていたせいか痛む体を無理やり起こして、グッと両腕を上へと伸ばす。


そして一番に気付いたのは点きっぱなしになっているテレビの存在。


映っているチャンネルは、昨日の夜・・・いや既に日付は今日になっていたか・・・



とにかく昨日の夜から今日にかけて見ていたアニメ専門チャンネル。


普段もそのチャンネルは24時間アニメを放送しているが、GW中の今はアニメの一挙放送を行なっている。


1話から最終話まで一気に見れるこの機会を逃すかと、昨日はチェックしていたそのアニメが始まるまでに夕飯も終わらせ風呂にも入った。


で、マイや兄貴とあーだこーだと盛り上がりつつ見ていたのは覚えている。



それから・・・






(・・・あーーーそうだ。

その後は兄貴が見たいってチェックしてたアニメが始まって、途中まで一緒に見てたけど結局うちとマイはソファーで寝ちまったんだ)






目当てのものを無事に見れたって事と、さすがに深夜・・・と言うか明け方に近かった時間帯に眠気に一気に襲われた。


うちはそこまで思い出して改めてソファーの片側へと視線を向ける。


そこにはマイがクッションを枕に寝息を立てている姿。


思わず苦笑しつつも、手をついて近付きその肩を揺する。






「おーーーい、起きろマイ。

朝、っつーかもう昼だぞ〜」




「・・・うぅぅ、おはようリオー。

今日も愛してる〜」




「へいへい、うちも愛してっから何か食えるもん頼む」




「了解でーーーす」






もそもそと起き上がったマイは、髪を軽く撫で付けながらとりあえず手探りで携帯を探している。


そんなマイの様子に苦笑しつつ、次にうちはソファー下の存在へと意識を向けた。






「おら、さっさと起きろ馬鹿兄貴!

つーかテレビぐらい消して寝ろよな、白熊泣いてるぞ」






明らかに力尽きて寝た感がある兄貴の姿。


まぁ、この兄貴の事だ。


きっと見たいと言っていたアニメを見終わった瞬間に力尽きたんだろう。


そんなソファー下で寝ている兄貴の姿に、マイも苦笑しつつ洗面所に向かう。


うちは呆れつつも、片足でゲシゲシと遠慮なくその体を蹴りながら夢の世界から引き摺り戻し始める。



暫くすると、微かな呻き声を上げて兄貴がムクッと顔を上げた。


そして未だ焦点の合っていないような視線をこちらへと向けて口を開く。






「・・・・・・やっぱ、シリーズ3が最高傑作だと思うんだがどう思うよ我が妹」




「知るか。

とりあえず起きろ。

12時から今度は映画が始まるんだよ」




「だよな、やっぱ3が服も設定も一番いいよな。」






噛み合っていない会話に、兄貴は一人満足そうに頷いている。


その頭を一度蹴り飛ばしてみようかと思った瞬間、台所からマイの声が響いてくる。







「何が食べたいーーー?」




「あーー、マイちゃん!

俺フレンチトースト!

ひたひたにした甘めのー」






即座に返答した兄貴の横腹に苛立って蹴りを入れる。


呻く兄貴を無視して立ち上がれば、うちも台所のマイに向かって答える。






「マイ、うちはなーーー」







それはまだ、ハガレン世界へとトリップする数年前の出来事・・・



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