お月見には?



窓からは丸い月が浮かぶ星空が見える。月の明るさの影響で、星の瞬きは弱く感じる。そんな中、窓際に立つセヴリーヌにズミが声を掛ける。
「セヴリーヌ、そろそろ月見ですので今日の晩御飯は月見ハンバーグ丼です」
彼は出来たハンバーグ丼をテーブルに起きエプロンを外す。
「まあ、ズミさんが丼物作るなんて珍しいですね…」
「そろそろ十五夜でしょう?」
昼はまだまだ暑いが夜になれば秋の風が吹くようになり、窓を開けていれば部屋の中に風が入ってくる。
「そうですね…お月見だから月に見立てた料理をするなんて案外粋な事しますね…ふふ」
「たまには、こういうのも悪くないでしょう?」
「ええ、ただ…」
窓際に立っていたセヴリーヌが立っているズミに歩み寄る。と右手の親指と人差し指で丸を作りそれを彼の頬に押し当てた。
「ズミさん、十五夜といえばお団子でしょう?」
「な、何するんですか…」
「お団子でしょう?お月見団子」
にこにこした顔でズミの頬でお団子を作ったセヴリーヌは楽しそうだ。
「食べたいんですね?作れということですね?」
「食べたいなぁ、と…思ってたんですよ。月を見ていたらお饅頭に見えてきて…」
漸く彼の頬をお団子から解放したと思うと見える月を指差しながら言う。
「分かりました、後でデザートに用意しますから…食べましょう?」
「はい…」
「そういえばさっきのお団子、前にたこ焼きというものを作れと言ってきた時にもやってましたよね?」
「…そうでしたっけ?ふふっ」



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