はち

成り行きで、3人で帰ることになった日曜日。ちゃんと会ったのは初めてな真田くんは、とても真面目で良い人そうです。お礼も言えて一安心だけど、手塚くんと真田くんといると、なんとなく圧が…。

「名字、女子は、道路側を歩くべきではない」

「…え?」

「うむ、危険運転も増えているしな」

「あ、そう…?」

校門を出るや否や、謎の共通理解。

「しかし手塚、最近は物騒だ。俺が後ろを着いていこう」

「なるほどそれは、妙案だな」

歩道はそれほど広くない場合も多い。そして、女子を女子として、男子たるもの守ろうとする姿勢に謎の共通理解(2)。結局、

道路側 手塚くん の隣に、私
後ろに真田くん の配置となった。横と後ろからの圧が…。
2人とも身体大きいんだよな。同じ高2なのになー。

「なんか、2人とも雰囲気似てるよね」

「…そうか?」

「んー、なんとなくだけど」

いや、まあ、よく考えたら2人のこと良く知らない。ので、それ以上は、何とも言えず。でも、居心地は不思議と悪くない。

「名字は、美術部らしいが、何を書くんだ?」

「色々かなー。今は油絵が多いかな」

「油で描くのか」

「真田、さすがにそれは無いだろう」

「油が入った絵の具って感じかな。においも独特だし」

「なるほど。俺は浮世絵が好きなのだが、それも美術部ではするのか」

真田くん浮世絵好きなのか。…古風だな。
そんな他愛もない話で、帰り道を歩く。この時間、好きかもしれない。







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